卓球ラケットの選び方には、プレイスタイルやレベルに合わせたポイントがあります。以下の点に注意して選ぶと良いでしょう。
1. プレイスタイル
攻撃型(アタッカー)
スマッシュやドライブを中心に攻撃的なプレイをする人向けのラケットは、硬めでスピードの出るものが良いです。ラケットの板の層数が多いほど、弾きが強く、パワーを出しやすいです。
守備型(ディフェンダー)
カットやブロックを重視する守備的なプレーヤーには、柔らかめでコントロールしやすいラケットが適しています。反発が少ないラケットを選ぶことで、相手のボールのスピードを抑えやすくなります。
オールラウンダー
攻撃と守備のバランスを取ったプレイスタイルの場合、やや中庸な反発力とコントロール性能を持つラケットが良いです。
2. ラケットの種類
■シェークハンド(Shakehand)
シェークハンドは、手のひらでラケットのグリップ部分を握り、手の甲を上に向けるような握り方です。まるで握手(shake hand)するような持ち方をするため、この名前がついています。
<特徴>
・バランスの良さ
シェークハンドの最大の特徴は、攻守のバランスが取れていることです。バックハンドとフォアハンドの切り替えがしやすく、どちらの面も活用しやすいです。
・リーチが長い
シェークハンドは、ラケットの長さと手首の動きが組み合わさることで、リーチ(腕の届く範囲)が長くなります。そのため、遠くのボールも取りやすく、守備範囲が広がります。
・初心者にも適している
シェークハンドは握り方が直感的で、初心者でも習得しやすいです。ほとんどの卓球ラケットがシェークハンド用として設計されています。
<デメリット>
・スピンのコントロールが難しいこともある
ペンホルダーに比べて、手首の細かい動きが制限されるため、スピンをかける技術が少し難しくなることがあります。
・重量感
シェークハンドはラケット自体が大きめで、グリップも長いことから、ペンホルダーよりも少し重く感じることがあります。
<グリップの種類(シェークハンドの中でも区別あり)>
シェークハンドのラケットにも、細かくグリップの形状が異なるタイプがいくつかあります。
・FL(フレア)グリップ
持ち手が末広がりになっており、手にしっかりフィットするタイプ。最も一般的です。
・ST(ストレート)グリップ
持ち手がまっすぐで、ラケットを回転させやすく、手の大きさや持ち方に影響されにくい形状です。
・AN(アナトミック)グリップ
手の形にフィットするように設計されており、より安定感がある握り方です。
■ペンホルダー(Penhold)
ペンホルダーは、ペンを握るようにラケットを持つスタイルです。ラケットを縦に握り、指で支えることで手首の自由度が高くなります。アジア圏で多く使われている握り方です。
<特徴>
・手首の自由度
ペンホルダーの最大の利点は、手首を使ったスピンや細かい動きがしやすいことです。特に回転技術を多用するプレイヤーに向いています。
・強力なフォアハンド
フォアハンドの攻撃が強力で、スピードやスピンをかけやすくなります。ペンホルダーは一枚の面だけを主に使うため、よりフォアハンドに集中したプレイが可能です。
・台上技術が得意
手首の自由度が高いことから、サーブやレシーブ時の細かい動き、特に台上技術(短い距離でのプレイ)が得意です。
<デメリット>
・バックハンドの難しさ
ペンホルダーはバックハンドが難しく、特に反転して打つ技術が必要になります。初心者にとっては、フォアハンドはやりやすくても、バックハンドが苦戦することが多いです。
・守備範囲が狭い
シェークハンドに比べてリーチが短く、広い範囲での守備が難しくなります。そのため、動きの俊敏さが求められます。
<代表的なスタイル>
・中国式ペンホルダー
裏面も使ってバックハンドを強化した「裏面打法」を取り入れるスタイル。近年では攻守のバランスが良くなり、オールラウンドプレイヤー向けのペンホルダーとして進化しています。
・日本式ペンホルダー
厚い単板の木材を使用し、非常に攻撃的なプレースタイルが特徴です。日本式ペンホルダーは基本的に裏面を使わず、フォアハンドに特化しています。
<どちらを選ぶべきか?>
・シェークハンドは、バランスが取れたスタイルで、攻守両面で安定したプレイを求める方や、広範囲をカバーしたい人に向いています。初心者やオールラウンドプレイヤーに適しています。
・ペンホルダーは、手首を活かしたスピンや台上技術を重視するプレイヤー、フォアハンド攻撃を得意とする方に向いています。スピードとスピンに特化したプレイをする人にはぴったりです。
3. ラバーの選び方
・スピン重視
スピンを多用するなら、柔らかめで粘着性の高いラバーが良いです。ボールに強い回転をかけやすくなります。
・スピード重視
スマッシュやドライブでスピードを重視する場合、硬めのラバーが適しています。ボールの弾きが強くなり、パワーショットが打ちやすくなります。
・コントロール重視
正確なショットやブロックが得意な人には、コントロールが効くラバーが良いです。反発が少なく、ミスを抑えやすい特徴があります。
4. ブレード(板)の選び方
・素材
木製とカーボンなどの複合素材があります。カーボン入りは反発が強く、スピードが出やすいですが、木製のほうがコントロール性が高いです。
・層の数
多層(5~7層など)になるほど硬さが増し、弾きが強くなります。攻撃的なプレイには多層のもの、コントロールを重視するなら少層のものを選ぶと良いでしょう。
5. 重量
重いラケットはパワーが出やすいですが、手首や肘に負担がかかることもあります。軽いラケットはスピードやスピンを出しやすい反面、打撃力に欠けることがあるので、バランスを考えて選ぶのがポイントです。
6. レベルに合わせた選択
・初心者
最初はコントロール重視のラケットを選ぶのがおすすめです。打ちやすさやボールの飛びすぎを抑えることで、基礎をしっかり身につけられます。
・中級者以上
自分のプレイスタイルが固まってきたら、攻撃型や守備型など、より特化した性能のラケットを選ぶことで、技術を活かせるようになります。
ラケットは個人のフィーリングも重要なので、可能であれば実際に試してから購入するのが理想的です。